パナマの木材市場の現況(2019)

パナマの国土面積はだいたい北海道と同じくらいとされており、森林の面積はそのうちの4割程度です。降水量が多く、場所によっては年間で3000ミリを超えるなど木材が育つ環境は整っています。人工林は非常に少なく、森林のほとんどは公的機関が管理するなど、それなりにコントロールされていることは明らかです。1998年に天然資源などを守るための規則が作られ、森林の持続的な利用が定められてはいますが、あまり熱心に行われていないというのが実情です。1970年代には国土の6割近く森林があったものの、原木を流通させやすいエリアを中心に伐採がおこなわれ一気に低下しました。

 

こうしたことを受け、天然資源を守る流れになってからは明らかに原木の生産量は下がっており、また供給量も低下したままです。これはパナマでまだ旧式の設備を用いていることから供給量を高められないためです。そのため、丸太として輸出されるケースが急増し、いわゆる製材が輸出されるケースは低い状態が続いています。木材市場の現況を見ると主な取引先は日本や中国、ベトナムなども含まれていますが、こうしたところでも供給不足の影響は出ており、木材市場においてそれなりの高値で取引される可能性は非常に高く、注意深く観察する必要があります。

 

木材市場は海外を中心に値上がりが続いており、1年前に比べて1割以上値上がりしたケースが多く見られます。パナマに関しても供給が上がる可能性はあまり考えにくいことから、今後も値上がりを見せる可能性はあります。紙の原料でもある木材チップが日本に輸出されるなど、パナマと日本は何かと木材に関して関係が深い間柄です。ただ、今後こうした流れが続くと値段高騰を受けて別のエリアに活路を見出す可能性やペーパーレス社会を迎えて需要が落ちる可能性があることから、現況を注意深く観察し、パナマの木材事情をチェックし、資源の管理なども見守ることも大切になっていきます。

 

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