北マリアナ諸島の木材市場の現況(2019)

北マリアナ諸島はミクロネシアのマリアナ諸島に属する島々です。北マリアナ諸島はアメリカ合衆国の自治領となっています。この島々は1919年から1945年において日本が委任統治していたという背景があります。第二次世界大戦後はアメリカの信託統治を経て、現在ではコモンウェルスという政治的地位に落ち着いています。アメリカの経済状態に少なからず影響を受けているのが北マリアナ諸島の大きな特徴です。現況ではアメリカは中国などと貿易戦争を行っており、あまり経済的に順調というわけではありません。また、高齢化が進みつつあることも木材市場には逆風となっています。

 

北マリアナ諸島は日本人を対象とした観光業となっています。観光客の7割をも日本人が占めており、サイパンといえばバカンスの定番とも言われます。ホテル経営が積極的に行われているので、木材への需要は高いといえるでしょう。ある意味ではアメリカ本土以上に木材を販売しやすいといえるかもしれません。木材を運ぶにしても日本からの距離が比較的近いというメリットがあります。ただし、2005年後半以降には収益性の低いリゾート路線のコスト削減が図られてきました。これにより、日本人観光客が減少傾向にあります。一方で韓国人や中国人の観光客が増えています。しかし、そういった方々の増加をもってしても減少を補えるほどではありません。マリアナ政府は日本人観光客を増加させるための施策を行っています。その中で木材への需要が高まる可能性はあるといえるでしょう。ただし、観光においては航空事情の影響も非常に大きな影響を与えています。それぞれの航空会社がこの島をどれだけ重視するかによって、実際に木材の輸入が増えるかが変わります。輸送費用までを含めて、販売の仕方を考えていくことが重要となります。また、アメリカの経済政策の影響も強く受けるので、この島に木材を販売することを検討している場合はそちらも注視しておくことをお勧めします。

 

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