マケドニアの木材市場の現況(2018)

バルカン半島の中央部に位置するマケドニアは、国土の大半が山地となっている山岳国です。
そのため木材が不足していた古代のギリシャに木材を輸出し、莫大な利益を上げていました。
古代からバルカン半島を中心とした地域では、このエリアで採れる木材が重要な位置を占めていました。
林業は第二次世界大戦前までは主要産業として、マケドニアの経済を支えていきます。
その後の旧ユーゴスラビア時代になると非鉄金属を中心とした工業化の政策が進められ、森林の破壊も進んでいます。
主要産業も葉たばこを中心とした農業になり、同国産のたばこは香りが良いと世界でも評判になっている歯ほどです。
しかし工業化によって環境の破壊が進んだマケドニアでは、森林火災が多発し違法伐採も繰り返され森林面積は減少し荒廃も進んでいきました。
森林が破棄されたことによって、マケドニアでは土壌の浸食・地すべり・洪水・鉄砲水などの災害が起きて市民生活を直撃しています。
森林破壊が原因の災害は頻発し、住宅地や交通インフラに主要な産業である農業にも悪影響が出ているほどです。
こうした状況は森林が荒廃しつつある日本と、同じ状況です。
近年の日本は土砂崩れや洪水で悩まされ大災害が発生し、多くの人命や財産が奪われてきました。
このような状況から日本とマケドニアは共通する悩みを抱えていると言われており、対策のノウハウを指導できるとされています。
そのためマケドニアから森林防災の専門家を日本に招いて研修をしたり、森林・林業分野の技術協力プロジェクトも開始しています。
こうした日本が支援する取り組みが実を結べば、マケドニアの森林面積は回復し木材市場にも良い影響が出るでしょう。
現況は不明な点も多いマケドニアの木材市場ですが、日本で得た知識や技術を使い豊富な森林を守り育てていけば木材を過去のように安定的に供給できるようになり、古代のように木材市場でも注目される国になるかもしれません。

 

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