リビアの木材市場の現況(2018)

リビア王国は、北アフリカにある共和制の国家で、東はエジプトに南東はスーダンに南はチャドとニジェールに西はアルジェリアに北西はチュニジアに北は地中海に面した位置にあります。
アフリカ世界と地中海を跨いで海を渡るとイタリアに近い事から、アフリカ連合とアラブ連盟とイタリアと通じてヨーロッパとも縁が深い地域です。
リビアの国章はクライシュ族の鷹と呼ばれる高が描かれていて、盾形をした鎧の胴は預言者ムハンマドのターバンの色であり、リビアの英雄で世界的には独裁者で知られるカダフィ大佐により、緑色革命の色である緑が描かれてます。
その下の部分にはリビアの主要な樹木のオリーブの枝が描かれていて、昔からオリーブの木が多かった事を伝えてます。
リビアの切手にはラクダにヤシの木が描かれた物などもあり、海岸部にはヤシの木が生えています。
オリーブの木もヤシの木も木自体がもろかったため、建築用の材木として加工するのに適しませんでしたが、木に油が大量に含まれているため薪で利用されてきた歴史があります。
木材というより木になるオリーブの実やヤシの実を近隣国に輸出したり、それらを加工した油や食品やお土産用の木工品などに加工されて販売されてきました。
そういった林産品の歴史も1960年代に政情が不安定になって途絶えてしまって、元々木材資源が乏しかったのに加えて難民などの移動に伴って薪用に伐採されて砂漠化が急速に進んで、木材市場は殆ど壊滅状態になりました。
また政情不安や内戦が続いたため、木材資源を搬出するためのインフラの道路網の整備も遅れた事も影響して、現況でも経済的に採算が想定できないため発展の見込みは望めないです。
世界的な流れで石油資源の枯渇や温室効果ガス削減の流れによるバイオマス発電用の木材需要が増えていて、成長の早いヤシの木やオリーブの木は適しているのですが、治安や政情が安定していないリビアの状況下では外国企業による積極的な投資が行われる期待感が薄いのが現況です。

 

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