レバノンの木材市場の現況(2018)

レバノン共和国は、西アジアと中東に位置する共和国国家で、北から東にかけてシリアと南にはイスラエルと隣接し、西は地中海に面してます。
レバノンは内戦が続くシリアと東岸に接しているだけあって、危険地帯として国連の治安維持軍が駐留していて、シリアから越境してきた難民が増加して難民キャンプが多数あります。
現在は非常に治安の悪いレバノンですが、古くから立派な杉の大木が自生していて、杉の生産国として有名でした。
レバノンは治安が良かった頃には成長が遅くて木目が詰まって密になった腐敗し難い良質な杉材で有名な地域で、鉄道の枕木や木造船や建築材などとして古くから需要が多く人気があり、そのため多くの良質の杉が乱伐されて今ではほとんど僅かしか現存してないです。
今ではガディーシャ渓谷周辺の一部残った豊かな杉林は世界遺産で保護されたことで、乱伐は辛うじて止まってますが、保護されているため2018年の現況の木材市場ではレバノン杉の出荷はほとんどされなくなりました。
現在では樹齢数千年を超えるレバノン杉の枯れ枝で作られた観光客相手の木工品が販売されてます。
レバノン杉の復活のために植林活動が行われない理由は、成長が極端に遅くて使用できる材木になるまでに最低でも数百年から数千年の歳月が必要だからです。
世界遺産のガディーシャ渓谷周辺の木々の生育を守るために、枯れた木々を採集する事は認められているため、形のいい部分の枯れ枝は上記のように観光客向けのお土産用に木工品に加工されてます。
だけど残りの加工できないクズ材はこれまでは、使用する方法が無かったため薪がわりの燃料やゴミとして破棄されてきました。
だけで現在では原油価格の上昇に伴って木材チップを使ったバイオマス発電を行う国が増えたため、今まで殆ど経済的な価値が無かったクズ材を木材チップで販売できるようになりました。
枯れたレバノン杉の木材チップは良質なバイオマス発電の原料で輸出量が徐々に増加してます。

 

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