イラクの木材市場の現況(2018)

イラクに限らず、中東諸国全般に言えることは森というものがほとんどない点です。これは文明と大きな関係があります。紀元前まで遡ると、人間は長い間自然の奴隷だったという物語の一文が登場し、森という森を伐採し、それを燃料に使ったことでエネルギーを巡る争いが勃発しました。現在は石油で大きな騒動になることがありますが、紀元前の時には木材がその対象となったわけです。残されたのは荒んだ大地のみとなり、その後森を大事にしようとしたものの、結局以前のような自然には戻らなかったというのが結論です。

 

また元々湿地帯が広がっていたイラクにおいて農耕地を増やそうとしたものの、それが失敗に終わって荒れ果てた大地になったという話もあります。イラク北部には多くの森林があったにもかかわらず、現在はその姿を見ることはあまりできないような状態になっています。

 

こうしたこともあってか、イラクにおける木材の輸出量は全体の国を見ても低いのが実情です。イラクでは現在も内戦が行われ、とても自然環境を守るという段階には行きません。自然環境を守るくらいならまず国民を守る、そこまで余裕がないのが実情です。また元々油田があったことから、そこをメインに産業を考えており、木材市場を良くするという発想がなかったとしても自然です。現況を鑑みてもイラクの木材市場に求められることはほとんどなく、結果的に活発な状態にはなっていないことが言えます。

 

イラクの木材は貴重であることは明らかですが、レバノンのように有名というわけでもないため、今後も大量に出回ることはないはずです。また国が安定しない限りは木々を増やすという発想にもなりません。紀元前の時にはイラクの木材がヨーロッパの繁栄をもたらしたことはあるかもしれませんが、結果的にそれが自分たちの首を絞めています。木材市場の現況はとても厳しい状況にあり、この産地の木材を手にする可能性はあまり高くないと言えます。

 

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