エクアドルの木材市場の現況(2018)

エクアドルは国土の3分の1程度が森林であり、そのほとんどが自然に生息しているものとなっており、人工林は少ないです。林業の促進がなされていることもあり、国を挙げてサポートをしているのが特徴です。そのため、現在では少ない人工林を産業的な意味合いで増やしていくほか、代わりに自然を守り、保護地域での森林伐採は禁止するような形にするなど、より産業的なカラーを強める過程にあります。木材の貿易量は丸太での輸出よりも製材としての輸出が多く、木材市場の現況としては今後も製材での輸出が主力となりそうです。

 

その製材ですが、半分以上を占めるのが薪炭用の木材であり、生産量にバラつきこそあるものの、半分以上を占めています。単板用などが一時期薪炭用を上回る時期もありましたが、急速にブレーキがかかった状態になり、全盛期の3割程度にまで生産量を落としている状況です。フローリングなどで使われたり、大きな一枚の木の板としてテーブルなどで用いられたりと様々な用途がありますが、日本との貿易の中では主力の1つではあるものの、原油輸出などの陰に隠れているのが実情です。

 

エクアドルの木材は良質なものが多く、そうしたものは海外に売られていく傾向にあります。木材市場を見ていくと、1年前に比べて高くなっているものばかりです。日本の木材が国内で流通する分には値段の変化はほとんど見られませんが、エクアドルの木材などを輸入する場合には値段はやや高くなっています。なので、木材市場の現況を見ていくとエクアドル政府が人工林を増やして産業振興につなげていく姿勢が間違っていないことがわかります。

 

一方で、エクアドルでは年々森林伐採量が多くなり、減少率も世界的に見て高い傾向にあることから、更なる対策が求められることもあり、値段の変化に予断を許しません。森林の保護と産業振興のバランスを欠くようなことになれば、木材市場に大きな影響を与えることになりそうです。

 

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