デンマークの木材市場の現況(2018)

デンマークの森林面積の比率は国土の約12.8%と国土に対する森林の比率は少なく、土地は肥沃とは言えませんがコペンハーゲン近郊にはブナ林が広がり、ユトランド半島西岸にはブナやモミなどの森林が広がっています。デンマーク自体は林業よりも農業が盛んな国で、特に畜産業では高品質な豚肉の輸出国として日本でも知られています。木材生産量は年間350万立方メートルあり、およそ半分がバイオマスエネルギーとして利用されているといわれています。
この国の森林は近自然的方法で管理されており、首都コペンハーゲンから北に30キロのところにあるホルショルムにはデンマーク王立獣医科・農科大学(KVL)森林・景観・計画センターがあります。このセンターではその前身も含めて100年以上もの間デンマークの森林管理の研究が行われてきました。カラマツ類の育種研究も行われ、ニホンカラマツは過去にヨーロッパ全土で蔓延したといわれるカラマツ癌腫病に対し耐性をもつ種として重宝されているといわれます。このセンターでは研究成果は、全ヨーロッパおよびアフリカ等の発展途上国の緑化にも貢献しています。
しかし、デンマークの木材市場としては他の農業や工業と比べ、林業はそれほど大きくはありません。農業では世界的な酪農国としてよく知られた国でもあり、バターやチーズなど酪製品などの輸出が多くあります。また、食品工業としては豚肉・牛肉・ベーコンなどの食肉加工が盛んで、自作農や協同組合組織が大変充実しています。そして、工業では造船業・ジーゼルエンジン・製酪機械・セメント機械などが発達していますが、木材についてはあまりマーケット規模が大きくないといわれているというのがデンマークの木材市場の現況になります。
このように、デンマークでは国土の約14%しか森林がなく、世界的に見てもデンマークの木材市場の規模はそれほど大きくないということが現況として挙げられます。

 

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