コスタリカの木材市場の現況(2018)

世界の木材市市場は値上がり傾向にあり、コスタリカの木材市場もその影響を受けています。コスタリカの木材も輸出をしている以上、世界の需給関係が大きく影響します。世界の木材の需要は、中国での需要の高まりで加速した面があります。中国は世界の価格に比べて安い日本の木材を輸入するようにはなっていますが、世界全体で見た場合の現況にコスタリカの木材市場も影響を受けずにはいられません。中国での建材としての木材の需要のみならず、近年は森林バイオエネルギーの活用促進の影響もあり、コスタリカの木材需要も高まりつつあります。
コスタリカでも森林バイオマスは注目の分野となっています。木材をペレットにして燃料にしたり、バイオエタノールを製造したりする道が新たに開かれたことによって、木材の価格は上昇することが見込まれます。木材を使用したバイオエネルギーは、真っ直ぐな木が日本のように多くないコスタリカにとっては、投資効率の高い再生可能エネルギーとなり得ます。コスタリカも森林破壊が深刻化してはいますが、その対策に力を注ぎ、名産品のオレンジの搾りかすを撒いて、5年ほどで森林を再生させた実績があります。森林保護と森林利用のバランスというものを早くから考え、対策をとってきたことで、急に森林利用をやめざるを得なくなるようなことにはならないと見られています。
官民一体となった計画的な森林活用に取り組んできたためか、従来通りの活用状況なら森林を維持していけそうでしたが、木材のバイオマス利用という事業の発展いかんによっては、価格高騰は免れず、それをどう行政がコントロールしていくかが注目されます。もともとコスタリカは森林を燃料に利用してきました。2010年の時点では国土面積の51%は森林であり、その23.9%は天然林でした。天然林を皆伐しての大面積造林は認められていません。その範囲内での造林をおこなう民間人への奨励策はありますが、あまり取り組まれてはいません。資源枯渇を防ぐため、今後も計画的な利用が不可欠でしょう。

 

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