コンゴ民主共和国の木材市場の現況(2018)

コンゴ民主共和国のコンゴ盆地には、世界で第2位の面積を誇る熱帯雨林が存在します。その広大な森林の半分以上がコンゴ民主共和国内にあり、国民のうちの4000万人もが森林に頼って生きています。国民にとってなくてはならない森林であるため、近年は保護の動きが活発化しており、木材市場の現況もその影響を受けています。コンゴの森林は、近年の大規模な商業伐採でかなりの面積が消失しました。価値の高い木だけが森から切り出され、ワシントン条約で絶滅が危惧されるほどの種類も出てきているほどです。
コンゴ民主共和国の木材は、主にヨーロッパに輸出されてきましたが、最近は中国への輸出も増えています。かつては日本の木材輸入量の多さが、世界から批判的に見られていました。中国の木材輸入量はとうにその日本を追い抜いており、現在は日本の木材も輸入しているほどです。中国は鉱物資源貿易でアフリカ諸国と深く親交を結んでおり、コンゴ民主共和国の木材も輸入しやすい状況にあると言えます。コンゴ民主共和国は2002年に新たな森林管理の法律を制定し、森林保護に取り組むとしていますが、その方針に沿った輸出状況にはなかなかなっていないと環境団体等から指摘されてもいます。
コンゴ民主共和国の森林面積のうち、7.7%が保護されることになってはいますが、それでは不足であるとして、15%に引き上げるよう求められてもいます。コンゴ民主共和国の森林は公有地ばかりであり、民有地ではないことから、政策の徹底がおこなわれれば、所有状況の面からは、森林保護は比較的容易である状況ではあります。コンゴ民主共和国の木材市況がどうなっていくかは、政策にかかっていると言えるでしょう。コンゴが2002年に森林管理の法律を制定したのも、環境団体からの働きかけによるところもありますので、世界中で環境保護を求める声がますます高まれば、従来のような木材輸出は難しくなりそうです。

 

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