ケイマン諸島の木材市場の現況(2018)

ケイマン諸島は、西インド諸島のイギリスが統治管理を行う海外領土です。島内で事業を行わない企業には法人税がかからないことから租税回避国として有名になりました。外国企業を呼び込み雇用を生み出すほうが先決だと考えたからです。アメリカから90分ほどの飛行でケイマン諸島にたどりつけ、港湾施設も整っていますから沖合には豪華客船が浮かんでいる豪華さがあります。リゾート地でもあり、富裕層を対象にしたブランド店が多いのが特色になるのです。

 

ケイマン諸島の木材市場は、主に中継貿易地であり、ケイマン諸島のトップ輸出先はオランダなどヨーロッパとアメリカ・マルタなどがあります。産業構成は、観光業と金融業が大きなウェートを占めており保険や富裕層のタックスヘブンのおかげで国民1一人当たりGDPが高い裕福な国です。

 

ジャマイカの統治下にあったことがあり、広葉樹の中でも柔らかいものが流通しており現況は、中国に買い付けによって市場は比較的活況に推移しています。中国は、一帯一路の開発を進めるなか需要が建設ラッシュでひっ迫しておりケイマン市場を中継ぎとして中米のものの供給を受けることで建設をすすめている背景があるのです。

 

木材自体が、いい材質であり、中国自体が違法伐採に厳しく国内の需給関係が良くないことでこの島の木材市場に期待しているところがあります。貿易の関する実体経済への影響がわかりにくいケイマン諸島ですが、木材市況が活発で、各地の木材が陸揚げされて再度中国などの消費地に運送されていく実態があるのです。もともとジャマイカ木材が入ってきてそれを中継点で木材加工のできる国へ流していた経緯もあり、今でも森林伐採に厳しいヨーロッパでの警戒があり、この国の木材市場にも影響が出るとみられていましたが、中国の台頭でジャマイカ産の木材の買い付けや市場取引が一層盛んになるとみられています。中国も日本と森林資源が国内に多いのですが利便性がある輸入材が建設には多く使われています。内装に木材を使用する比率が高いのです。

 

 

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