ベラルーシ共和国の木材市場の現況(2018)

ベラルーシ共和国はロシア共和国の西方に位置し、かつてはソビエト社会主義共和国連邦に属していた時代があり、「白ロシア共和国」を名乗っていた時代もありました。南側に位置するウクライナ共和国がロシア連邦との半戦争状態にあるのとは異なって、旧ソビエト時代の政治方針を踏襲しロシア連邦との良好な外交関係を維持しています。これは時の政権のユニークな点も影響していると見られており、「ヨーロッパ最期の独裁国家」のありがたくない異名をもっているほどです。安全保障面でもロシアへの依存を強めていますが、経済面でもロシア連邦との緊密な関係を維持しており、天然ガスの供給は全面的にロシアに依存する関係にたっています。
民族的にはベラルーシ人が人口の9割近くを占めており、国土は日本のおよそ半分ほど、人口は950万人ほどで首都はミンスクです。民族的には明らかにロシア人とは異なりますが、歴史的地理的にロシア人との緊密で良好な関係維持に腐心しており、ウクライナがNATO加盟に意欲的な姿勢を見せるのとは対照的に軍事的にもロシア連邦との緊密な関係を構築しています。現在実権を握るルカシェンコ大統領は5期目を務めていることからうかがえるように、国内での政敵の弾圧を繰り返す強権的な統治体制を選択しているあたりにはプーチン政権との親和性を指摘する向きもあり、EU諸国からも人権状況についてたびたび非難をうけています。
このような政治的背景を有するベラルーシですがチェルノブイリ原発事故で深刻な影響を受けた国としてもしられているのです。放射線汚染も深刻なため、国内には豊富な森林資源を保有するものの、木材市場の現況は活況を呈しているのとは程遠い状況にあると評価されています。旧ソ連時代には工業コンビナートが発達したこともあり、木材市場については今後も有望な展望は開けていないのが現状です。政治的経済的にロシアとのつながりが強固なことから、木材市場の動向も両国の経済事情に振り回される状況が今後も継続するものとみられています。

 

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