ココス(キーリング)諸島の木材市場の現況(2018)

ココス(キーリング)諸島はインド洋にあるオーストラリア領の島嶼のことを指しており、ノースキーリング島とサウスキーリング諸島の2つの環礁から構成されています。地理的にはオーストラリア西岸とスリランカのインド洋の中間の場所に位置しています。首府はウエスト島にありますが、最大の集落はホーム島のバンタム村にあり、人口は2014年当時で600人ほどです。1826年にイギリス人アレキサンダーベアが100人ほどのマレー人を引き連れて上陸移住したのが、入植者の嚆矢とされています。翌年にはジョン・クルーニーズ・ロス一行が23人の部下を伴って上陸してきました。ロスはベアの部下の関係にありましたが、両者は対立することころになり、結局ヘアが島を追い出され、ロスが事実上の領主として君臨することになります。周辺地域はインドを拠点に暗躍した大英帝国の国策会社「東インド会社」が盛んに活動している海域で、1857年にはイギリス艦隊が上陸し大英帝国への編入を宣言しました。クルーニーズ・ロス一家は当時外国船の侵入に悩まされていたので、イギリスに抵抗することなく、帰順する道を選び大英帝国の領土になったわけです。結局インド洋の只中にある領土経営に難渋したイギリス政府は、当地をシンガポール領に貴族変更するに際して、クルーニーズ・ロス家にココス(キーリング)諸島に永久所有権を認めることとなりました。
二度の世界大戦を経て、1955年11月23日には、さらにシンガポール領からオーストラリア領に貴族変更されることになりましたが、クルーニーズ・ロス家はこれに反対し独立を望んだものの、オーストラリア政府による同家の専制支配の終焉を望む方針にかわりはなく、結局1978年に5代目クルーニーズ・ロス家当主により、オーストラリア政府に売却されるところになった訳です。ココス(キーリング)諸島は2つの環礁からなりココヤシの木が密生している程度で現況では木材市場を形成するほどの木材を生産していないのが現状です。

 

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