鹿児島県の木材市場の現況(2018)

鹿児島県は三方を海に囲まれた自然豊かな県で、面積はおよそ9200平方キロメートルです。そのうちの森林面積はおよそ94000ヘクタールで、総土地面積に占める林野率は68パーセントあります。森林の内訳は民有林が約69000ヘクタールで全体の74パーセント、国有林が約25000ヘクタールで全体の27パーセントとなっており、民有林のおよそ7割が個人所有の森林です。鹿児島県の木材供給率は年々増加しており、県全体の木材需要量に対して自県材供給の割合は8割以上となっていることが特徴です。木材の内訳は製材用需要が主ですが、九州の中でも鹿児島県は合板と木材チップ需要の比率が高い傾向となっています。木材市場の現況はスギとヒノキ、マツを中心としており、スギは天降川水系から姶良市域にかけて広く分布し、ヒノキは伊佐地域を中心に川内川上流域にかけて優良林を形成しています。木材生産量は北薩地域が県内で最も多く、県全体のおよそ50パーセントを占めており、次いで鹿児島地域、屋久島地域の順です。スギは柱角や土台角、モヤ角用の正角の需要が高く価格相場も数年間にわたり安定供給となっており、ヒノキ材は柱角と土台角の正角にほぼ限定されて、スギ同様に通年安定供給を可能としています。この背景には新設住宅着工戸数で木造住宅の割合が多いことがあり、総数およそ10400戸に対しておよそ7000戸と約70パーセント前後を占めていることにあると考えられます。この数値は平成16年より年々増加しているため、今後も更なる増加が期待されます。鹿児島県には、建築用木材として高品質な県産材の安定供給を目的として、かごしま材認証協議会が「認証かごしま材」を認定し、県内の製材工場に生産指導などを行っています。品目は柱や梁などに用いる針葉樹構造用製材や構造用集成材の他、壁板用造作材や下地材、フローリング材などがあり、木材市場の活性化に大きく貢献しています。

 

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