高知県の木材市場の現況(2018)

伝統的な建築物などに使用される木材は、コンクリート建築が主流になった今でも我々の生活に密着したものと言えます。そんな木材市場の現況を今回は高知県にスポットを当てて取り上げたいと思います。高知県と言えば海に面していて、カツオ漁などでおなじみの盛んな漁業や四万十川などの清流でおなじみですが、県の面積のおよそ84%が林野という全国でのトップクラスの森林資源を保有する県でもあります。平成28年における森林の蓄積量は国有・民有のものを合わせて1億9251万立方メートルです。平成27年度と比べ、民有林の中の人工林1ヘクタール当たりの蓄積量は増加しており、県の森林資源を充実させるための施行が実を結んだ結果であるとも言えます。高知県における木材産業は県内の機械類などを合わせた製造品の出荷額の4.3%の247億円となっており、県にとって無くてはならない存在です。その中で木材や薪・炭などの林業が算出した金額は約84億円で、その比率は木材が75.9%、しいたけなどのキノコ類が17.2%、薪・炭などが6.8%となっています。特用林産というキノコ・山菜・シキミなどの特用樹などの生産も高知県では盛んです。特用林産の内訳の50%はキノコが占めており、平成28年度における生産額が高い順はブナシメジ・生シイタケ・エノキタケの順になっています。高知県内の木材流通の現況は県内での生産量が約63万平方メートル、県外や海外からの仕入れが約18万平方メートルとなっています。その内の約22%が県外への出荷に当てられます。県内での需要は多い順に製材業での使用・チップとしての使用・バイオマスとしての利用の順になります。製品としての使用は建築材にして使用、梱包材としての使用が主です。そして製品は県内への出荷が33%、県外への出荷が67%という内訳です。森林資源は増加傾向にありますが、森林組合の組合員の高齢化・林業への就業者数の問題など、迫りくる高齢化問題に対処していくことが今後の課題であるといえます。

 

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