青森県の木材市場の現況(2018)

青森県の森林資源は、豊かな森林を保有しているため豊富であり針葉樹人工林、広葉樹天然林が多く総蓄積量に占めるスギの割合が増加していることが特徴的です。素材生産量が全国第8位になっており、良質で豊富な木材の需要は比較的多い一方、過去最大だった1980年と比べる約半分に落ち込んでいますが、スギの生産割合は大きく増加しているという木材市場の現況となっています。農林水産省の木材需給報告書によると青森県の森林、林業、木材産業の現状と課題について素材の県内需要量は素材生産量と連動しながら減少し続けている傾向があり、県外移出量もわずかに減少しているが最近では県外への素材移出量が増加し始めているとおさえており、青森県産の木材の需要が全国的に高まってきているとしているところです。
青森県内は、豊かな森林を広く保有しており国有林、私有林ともに全国的な需要の高まりが期待されていますが、製材工場の数が減少していることが課題になっています。製材品の出荷額が低下してきているため、青森県産の木材市場を活性化させるためには、製材工場の数を維持することや充実させることが課題です。全国的には、大型の木材加工施設が求められていますが青森県には中規模の製材工場が1か所のみとなっているほか、合板工場や集成材工場はないため出荷が限定的になっており、素材をそのまま出荷する場合や県内で使用する場合には輸送コストがかかってしまうため、大きな課題になっています。
県内での木材需要の過半数を占めているのが住宅建築です。青森県の住宅建築は着工数が減少傾向にあり、20年間で約3割減少している現況になっています。県内の着工数をのばすための対策として大型施設を木造建築した際の補助金などが考えられ、他府県ではすでに実施しているところもありますが県内人口の増加が見込みにくいことから他府県への需要拡大を推進することが求められ、製材工場の充実が課題となっている所です。

 

トップへ戻る