フフホト市(中国)の木材市場の現況(2019)

フフホト市はモンゴルの古都と、近隣にある4つの県などが集まってできている地級市です。
街には特徴的な中国式の建造物やチベット寺院があって、独特かつ魅力的な雰囲気を醸し出しています。
モンゴルでは移動式の住居ゲルが有名ですが、フフホト市では閉塞感を嫌う人が多いので、このゲルに関する木材の需要は限られます。
しかし、現地で使う需要が全くないわけではありませんから、小規模ながらも木材市場は存在します。
また、ロシアから搬入される木材が少なくないので、このルートで仕入れたり販売していることが、現況から見えてくるフフホト市の姿です。
現況とはいっても、細かな数字は出てきていませんから、そこはやや残念だといえるでしょう。
モンゴルでは元々木材が貴重な資材ですし、木材を売りたいロシアにとっても好都合なので、これまでに輸入資源の加工区を開設しています。
その後は輸入木材の加工、販売拠点として活動を始め、木材市場の一端を担う存在となっているわけです。
つまり、フフホト市は木を育てたり伐採して市場に供給するよりも、輸入した木材を加工して付加価値を与え販売する、という形を取っています。
これは中国全体に共通する傾向で、環境問題による伐採削減政策が取られてからは、自給率の低下に伴い、木材市場への供給量も減少しました。
フフホト市はいわば拠点として、木材市場に流す商品を加工する基地のような場所です。
フフホト市が必要とする木材は、現地で消費される分よりも、商品化して販売に回す方が多いです。
現況においても、フフホト市の性格や木材市場の傾向は変わらないので、その点は念頭に置いておく必要があります。
結論として、フフホト市で採れた未加工の木材を購入したい、こういったニーズに応えてもらうのは困難です。
更に、現地で使う木材を供給するという希望も、加工販売傾向が強い現況からすると難しいでしょう。
ただし、用途を問わずに木材を売り込むなら、日本の企業にもチャンスがあるものと思われます。
加工されたものの入手についても、商品が行き着く木材市場の動向が分かれば、機会が手に入れられるはずです。

 

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