天津市(中国)の木材市場の現況(2019)

天津市周辺の華北地区は家具生産が盛んな地域として知られており、その木材市場は活況を呈しています。天津市は北方地域における有数の港湾都市であり、輸送コストがかかる家具を生産するのに有利な立地です。天津市は北京市とともに、中国の経済発展をけん引してきた都市のひとつと言えます。経済発展に伴い、木材の需要は高まるものです。現況でもその需要は続いています。ただ大都市化が進むにつれ、木材産業は市内からは撤退せざるを得ないような状況も生まれています。住宅やオフィス需要が増し、広い敷地を必要とする木材産業は、経営コストが安い周辺地域に移りつつあります。
もともと天津市周辺では、合板材やボードよりも付加価値の高い家具生産が高い比率でおこなわれてきました。木質フローリングの生産もおこなってはきましたが、その量はわずかでした。天津市の経済発展に必要とされる合板材やボードは、市外から調達されます。天津市の発展に伴い、それらの需要に応えるべく、周辺地域では合板材やボードの生産を盛んにおこなうようになり、市場で取り扱われる量も増えています。広大な中国では都市部への人口流入が続いており、大都市である天津市の発展はますます進みそうです。
都市の発展に必要なのはまずは建物ですから、建材も大量に必要とされ、各生産地から天津市に木材が集まってくることになります。現地に行って買い付けができる業者ばかりではありませんから、木材市場の役割もますます高いものとなっています。この高い需要には、日本も無縁ではありません。木材輸出振興協会が、海外での日本産木材利用促進事業の一環としてこの地を訪れています。中国国内でも木材は盛んに生産されてはいますが、広い国土の中で木を植林できる地域は限られています。日本のように、植林すれば必ず木が育つ場所ばかりというわけではありません。
日本も参入をうかがっており、木材市場はますます活況となっていきそうです。

 

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