寧夏回族自治区(中国)における木材市場の取引状況(2019)

寧夏回族自治区(中国)における木材市場の取引状況(2019)

 

寧夏回族自治区(中国)は、中国の西北部黄河の上中流域に位置します。
チベット自治区や新疆ウイグル自治区など、中国に5つある自治区の一つです。
寧夏回族自治区(中国)は、元の時代に西方からトルコ人やペルシャ人が流入しイスラム化しました。
この地の3分の1を占める回族はイスラム教徒ですが、長い年月により混血したため外見上は漢族と区別できません。
また現在では、回族より漢族が多くなっています。
寧夏回族自治区(中国)は、三方をテングリ・モーウスウ・ウランプの3つの砂漠に囲まれています。
そのため土地の砂漠化が深刻化しており、南部の山岳地帯では水土の流出が激しく環境の悪化が激しい地域でした。
しかし現在の寧夏回族自治区(中国)は、長期にわたる自然環境の改善に成功した地域として世界から注目を集めています。
たとえば砂漠化した面積は1970年代から減少している調査結果があり、木材市場にとって重要な林地面積も約40万ヘクタールに増加中です。
材木の蓄積量も林地面積とともに増え続け、森林カバー率は50年代から飛躍的に増えています。
効果的な防風林や防砂林も40年来に渡り作り続けた結果、砂漠化した土地の減少と耕地面積の増加を達成したのです。
これは奇跡とも呼ばれており、国連から環境保全で世界ベスト500の称号を受けるほどになりました。
中国は北京市内の大気汚染など、環境破壊が著しいイメージが日本人の間では広まっています。
しかし寧夏回族自治区(中国)の砂漠化を止めた功績は立派なもので、日本人の賞賛すべきでしょう。
砂漠化の進行も止まり森林面積が増えることによって、木材市場の取引状況も改善が見込めます。
数十年後にはかつては砂漠だった寧夏回族自治区(中国)の地域にも森林が出来上がり、そこで伐採された木材が木材市場を通して流通し、中国国内でも使われるようになるかもしれません。
そうした可能性を、寧夏回族自治区(中国)は感じさせてくれます。

 

 
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