甘粛省(中国)における木材市場の取引状況(2019)

甘粛省(中国)における木材市場の取引状況(2019)

 

中国の北西部に位置する甘粛省(中国)は、歴史的にも重要な要衝です。
涼州と呼ばれていた漢の時代には、モンゴルや西域と接する重要な場所とされてきました。
現在は南は四川省、東は陝西省と接していますが、西側には青海省とともに新疆ウイグル自治区、北側には寧夏回族自治区と内モンゴル自治区があります。
中国の隣国でもあるモンゴルとも国境を接しており、国内においては他の民族の文化が多く見られる地域です。
他民族の影響は州都である蘭州は顕著で、中国国内でありながら見た目はイスラム都市の様相です。
これはイスラム教徒の回族が多い民族構成ならではで、中国国内では非常に珍しい都市と言えるでしょう。
甘粛省(中国)は、中国を代表する河川の一つである黄河の上流域にあります。
黄河は甘粛省(中国)の中央部を貫くように流れ、やがて渤海にまで流れていきます。
このように甘粛省(中国)は古代から西域への要衝であったり、黄河の上流域にあるため多くの人が行き交いました。
木材市場で取引された材木も、甘粛省(中国)から中国の沿岸部や西側に運ばれたと考えられるでしょう。
しかし現在の甘粛省(中国)は、環境が悪化中です。
黄河に代表されるように水資源は豊富と考えられていましたが、今では植物も不足し水土の流入が深刻化しています。
そのため黄河の環境は悪化して、有機物の流失も問題となっています。
またかつては物流に使われていた黄河も、現在ではいくつものダムが造られました。
甘粛省(中国)だけでも水力発電所は29カ所も作られ、かつてのように自由に航行できません。
このような状況から木材市場の取引状況も、悪化している可能性があります。
ですが現在の中国は木材需要が高まっており、木材市場の取引状況もそれらを吹き飛ばしているかもしれません。
歴史的にも古い甘粛省(中国)は、現在では鉱物資源が豊富にあるとされていて新たな産業で成長する可能性があるとされています。

 

 
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