山東省(中国)における木材市場の取引状況(2019)

山東省(中国)における木材市場の取引状況(2019)

 

中国では建設ラッシュによって国内の木材需要は増加していますが、中国国土における森林面積が占める割合は低く、一部では商業用の木材伐採が禁止されている地域もあります。そのため海外から多くの木材が中国国内に輸入されています。
山東省(中国)の木材の取引状況として、地元工場のニーズからアメリカ、カナダ、ニュージーランドなどの欧米諸国からの丸太輸入が増加しており、日本産の丸太輸入より上回っています。山東省南部にある日照市では丸太の輸入代理を行う企業によって海外から木材が集まります。日照市にある日照港では輸入された木材を陸揚げするためのコンテナ専用の港が整備されており、様々な企業から荷揚げ港として選ばれています。山東省には木工機械の主要な産地である青島市があります。木工機械のシェアは中国の木材市場に非常に大きな影響力を持ちます。日本でも青島市に工場を活動を製造活動を行っている企業もあり、市場規模が衰えることはないといえます。また山東省の煙台市は近年観光産業の活発化により建設需要が増加し、それに伴って市場の取引高も増加しています。同省の東南部に位置する臨沂市は豊かな森林地域があり、良質な木を採取することができます。臨沂市は木材を供給する地であると同時に木製のボード製品を加工する企業が多く存在しているため、中国国内でも重要な木材市場となっています。特に臨沂市では高層ビルや商業ビルの建設に必須となるコンクリート型合板の製造が盛んであり、中国総生産量の3分の1以上を占めています。このため建設ラッシュが続く限り、今後も市場はさらに拡大します。一方で木材供給量が減少した都市も存在します。山東省の省都である太原市では高度経済成長に伴い高品質な住宅の建設需要が高まっています。太原市は市の土地の5分の4が丘陵地であり、多くの木材資源が採取されていました。しかし現在では伐採削減政策によって採取量が少なくなっています。

 

 
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