広東省(中国)における木材市場の取引状況(2019)

広東省(中国)における木材市場の取引状況(2019)

 

広東省(中国)は中国大陸の南部に位置する省で、東シナ海に臨み香港とマカオ両特別行政区と境を接しています。中国国内でもいち早く改革開放を実施した経済区で、珠江デルタの広州市を始めとして珠海・スワトウ・湛江・仏山・肇慶などが主な経済都市です。特に省都の広州市は広東料理が広く知られており、「食は広州にあり」と言われるほど有名で「飛ぶものは飛行機以外、4本足は机以外」と称されるように、あらゆる食材と調理方法が集結しています。面積はおよそ18万平方キロメートルあり、その大部分は亜熱帯気候に属し、夏は長く冬は暖かい気候で雨が多いことが特徴です。中国は世界最大の木材産業国であり、木材産業の生産高と原料輸入高加工製品輸出高においても世界トップを誇ります。中国の木材産業の主要製品は丸太を筆頭に、製材・木質ボード・木質フローリング・木製ドア・家具などで、木材産業はエネルギー消費の低さや汚染量の少なさ、資源の再生可能性などにより中国経済で重要な役割を果たしています。中でも広東省は中国で最も進んだ木材産業を有する省で、その木材の年間消費用は3500万立方メートルとなっており、基幹産業である製紙産業の生産量はおよそ2100万トンと中国第1位の実績があります。広東省の木材市場における樹種別取扱量はスギやマツがその大部分を占め、主に板目材や合板に加工されて省内を始め国内の広範囲に搬出されているなど大変活発と言えます。広東省の木材市場は、省の比較的成熟した市場経済に加え品質の信頼性で高い評価を得ていることが特徴で海外へも広く流通しており、輸出高で見ると中国全体の50パーセント以上を占めています。取引状況はロシアが最も多く、次いでラオス、アメリカとなっており、この3か国で全体の70パーセントを占めているのが広東省における木材市場の現況です。今後は現在の木材生産中心と平行して生態系保全にも注力しており、東北部の天然林の保護と沿岸地域の新規造林を両輪に展開していく傾向です。

 

 
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