大分県玖珠町における木材市場の現況(令和2年 2020)

大分県玖珠町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大分県の中西部、九州山地に囲まれた盆地にあるのが玖珠町です。
山間部に位置するので玖珠町の第一次産業従事者は全国平均よりも高く、大分県内でも高い水準となっています。
玖珠町の約8割を占める約2万4千ヘクタールは、林野です。
そのため古くから林業が盛んに行われていて、木材市場も賑わいを見せていました。
しかし令和2年の木材市場の現況は、かつての賑わいはなく低迷中です。
木材市場の現況が低迷している理由は、木材価格の低迷です。
戦後海外から安い輸入材が日本国内に入ってきたため、玖珠町の林業や木材市場も大きな打撃を受けました。
その結果戦後に植栽された人工林の多くは、伐採期を迎えたものの放置されるケースも増えました。
木材価格の低迷に加え林業従事者の減少も重なり、玖珠町では長伐期施業に移行しつつあります。
現状のまま人工林を放置してしまえば、森林の機能は失われ大きな災害が起きる原因にもなりかねません。
現在では森林の機能維持のための枝打ちや間伐など森林整備の推進が求められていて、管理の行き届いた状態に戻す必要性があります。
木材市場の現況も低迷している玖珠町ですが、一方でバイオマスタウン構想も進められています。
バイオマスは廃材などを利用した新しいエネルギーで、環境に優しいことから全世界で普及が進められてきました。
日本は海外に比べるとバイオマスの活用では遅れており、まだまだ発展途上のエネルギーです。
しかし建築廃材や製材廃材を使ってエネルギーを生み出せるなら、林業の活性化にも繋がる可能性があります。
日本国内でバイオマスが普及し原木の価値が上がれば、木材市場での価格も上昇するでしょう。
価格が上昇すれば林業従事者が増える可能性があり、森林も良好な状態に保ちやすくなります。
玖珠町で進められているバイオマスタウン構想も成功すれば、地元産業の活性化に繋がるかもしれません。
新しい木材の利用法が登場したことにより、木材市場の現況も好転する可能性があります。

 

 
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