大分県国東市における木材市場の現況(令和2年 2020)

大分県国東市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大分県国東市には県立木材市場中央センターがあり、県内で取り引きされる木材を一手に引き受けています。国東市の2020年上半期の木材市場の現況は、約150万トンの取り引き高となっており前年よりもマイナス12%の数字です。2019年度の国東市の木材市場の年間総量は約420万トンとなっており、このうちの70%にあたる260万トンが海外輸出数量でした。国東市の木材市場は輸出向け木材の取り扱い数量が国内の木材市場の中でも特に多く、これが2020年上半期の取り引き量減少という形であらわれています。それは2020年2月から世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルスによる各国の貿易取り引き停止であり、国東市では特に感染者数が多いイタリア・アメリカ・イギリスが主要取引国なので影響が顕著です。なお、7月より各国ともに経済活動が再開されるので2020年の下半期は取り引き高も回復していく見通しです。林野庁による各自治体の木材市場調査がなされるようになった当時の国東市は、年間取り引き高が54万トンしかなかった市場です。これは国内需要向けの市場であったことに起因している数量で、1990年に開始された木材貿易自由化によって海外取り引きを可能にする市場へとシフトチェンジをされてからは、年間300万〜400万トンを上回る巨大市場へと成長するに至りました。取り扱われている木材はカシ・ヒノキ・スギの3品種で、特にカシに至ってはイギリスでは寺院の修復や住宅建材という形で高い需要を誇っている木材です。2020年以降の国東市の木材市場の動向は、下半期以降は例年通りの取り引き率となって安定した市場となることでしょう。現況の赤字を黒字へと回復させることは十分可能であり、2021年になれば主要取引国のひとつであるイギリスが約200万トンオーバーの取り引きをすることにも期待が持てるので、大きな収益をあげる木材市場となっていくところです。

 

 
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