大分県杵築市における木材市場の現況(令和2年 2020)

大分県杵築市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大分県の南東部に位置する杵築市は日向山地が市内にあり、明治時代中期より木材加工品を製作する工場が数多く誕生しました。現在も市内には計5つの製材所があって、仏壇・箪笥・椅子等の木材を用いた調度品を生産されています。2020年上半期の杵築市の木材市場の現況は、約58万トンの取り引き高となっていることが市の山林課が公開している定例報告書から見て取れます。この数字は2019年の同時期と比べると、プラス9%となっていて黒字収益ですなお、2020年度全体の木材取り引き総量並びに収益はそれぞれ約97万トンと11億円と提示されて、こちらも前年度より10%の増大となる見通しです。杵築市の木材市場は1998年に設立された、それまでは隣りの佐伯市の木材市場が管轄していました。ところが佐伯市は1996年から海外取り引き向けの木材市場へとシフトチェンジを図ったことで、杵築市に国内向け木材取り引き市場を新たに設立するに至りました。年間約100万トン前後の木材を取り扱っており、このうち約68%が市内の木製品加工場へと流通しているものです。残りの22%は四国・中国地方へ運ばれて、神社仏閣の建設・修繕用に使用されています。杵築市の木材市場で取り扱っている木材はケヤキ・ヒノキの2品種のみで、日向山地で産出されるケヤキは肥沃な土壌の影響で白い幹になっています。この特徴を持つケヤキは国内でも類を見ず、高級木材という位置づけで取り引きなされているほどです。そのため1kgあたりの取り引き額は約190〜250円と非常に高くなっており、年間取り引き総量が少ないのに高い収益を得ている理由でもあります。2020年以降の杵築市の木材市場の動向は、今後も地場産業である木材製品向けの材木を取り扱っていく市場を維持し続けることでしょう。需要と供給のバランスが保たれてるので、安定した収益を生み出す市場で地場産業を存続させるのには欠かせないところです。

 

 
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