大分県九重町における木材市場の現況(令和2年 2020)

大分県九重町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

九重町の木材市場の現況について、「玖珠木材」「池田林業」「ヤマサ」3つの会社が営業しています。そのうちヤマサは木の中でもスギ専門の製材工場で、環境にも優しいとされる乾燥材に力を入れている会社です。ヤマサの創業は昭和元年から始まりました。今では建材としての品質管理に特に力を入れていて、工場自体もJAS(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)に認定されていて品質の担保された建材が生産されています。また大分式乾燥材と呼ばれる短時間で高温・乾燥させたのち、数か月かけて自然乾燥を行うことで木材の含水率を均一に下げる工法に認定されているん点も重要なポイント。この大分工法は木材自体の風合いはもちろん建材としての丈夫さやしなやかさも兼ね備えていることに加え、比較的短期間で木材を乾燥させることがあるという特徴があります。さらに天日干しでの乾燥がメインのため、すべての乾燥で電気や化石燃料などの燃料を利用する場合と比べて圧倒的に環境への負荷をかけません。このため、持続可能な工法として最近注目され始めています。ほかにも九重町では、木材を利用した農作物の生産も活発に行われていることをご存知でしょうか。それはクヌギを利用したシイタケの原木栽培がで、「町の木」にもクヌギが選ばれています。九重町では原木および菌床の両方で生産されていて、その量は年間で350トン(2015年度)と日本でも有数のしいたけ産地でもあります。町が山峡いの地形が多く適度な湿度を保つため、シイタケの栽培に適していて特にこの地域は肉厚で薫り高いとの定評があります。ほかにも干し椎茸なども生産されていて東京・大阪・福岡などの大市場へ出荷されています。また振興の一環として九重町では「トマト・しいたけ研修生」を募集していて、将来の生産者の育成にも力を入れているのが特徴です。研修では原木の選び方から手入れの方法、シイタケの栽培方法などを学ぶことができます。

 

 
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