大分県佐伯市における木材市場の現況(令和2年 2020)

大分県佐伯市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大分県佐伯市は2005年に行われた合併によって九州最大の市町村となった市です。
江戸時代から豊かな海の幸と山の幸に恵まれた地域として知られており、東部には日本有数のリアス式海岸が存在しています。
そんな佐伯市の木材市場の現況は全体的には好調で、将来にも期待が持てると言ってよいでしょう。
佐伯市では2020年に佐伯市森林整備計画および第一次佐伯市林業振興計画が発表されるなど、林業を成長産業化することに力を入れています。
森林面積と森林の占有率は大分県内で最大となっており、木質系バイオマス変電所が設置されるなど木材資源の有効活用にも積極的です。
ネックとしては自然環境に配慮したネットの設置などによって伐採コストが上昇している点があげられます。
ただし市の報告書ではこの問題点は低コスト造林などによって対応していくと語られています。
また佐伯市は循環林業に力を入れていることでも有名です。
伐採の基準となる樹齢は設定しているものの、「伐採を促すものではない」と明言しており木材の生産と公益性のバランスをとった、50年スパンでの循環体制が目標であるとしています。
こうした施策はおおむね成功しており、市内での原木の価格は平均よりやや高めに推移しています。
一方で少子高齢化の影響は避けられておらず、林業従事者の後継者探しは難航しているのが実情です。
これに対して市ではさいき農林業サポート人材バンクを設立し、農林業サポーターを広く募集するなどの対策を行っています。
さいき農林業サポート人材バンクは一種の公的な派遣事業のようなもので、希望者はさいき農林業サポート人材バンクを仲介して農家へ派遣され、プロの下で農林業について学びながら、時給750円から1000円程度の報酬を得ることが出来るというシステムです。
こうした事業を展開をしていることからも分かる通り、佐伯市は他の自治体より先進的かつ積極的な政策を実行しており、木材市場は長期的に安定する可能性が高いです。

 

 
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