佐賀県白石町における木材市場の現況(令和2年 2020)

佐賀県白石町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

佐賀県白石町の2020年4月時点の木材市場の現況は、約120万トンの取り引き高となっています。この白石町にある木材市場は佐賀県が管轄している市場の中でもっとも規模が大きく、国内だけでなく貿易取り引き拠点となっているのも特徴です。約120万トンという数量は2019年度の同時期と比較すると、マイナス50万トンとなっており大きく減少していることが伺えます。これは海外取り引きが3月から停止しているためであり、世界規模の新型コロナウイルスによるパンデミックが白石町の木材市場にも大きな打撃を与えていることがわかります。白石町の主な取引国はシンガポール・中国・フィリピンのアジア諸国で、これらの国では貿易港を封鎖して取り引きを停止しているほどです。なお、6月以降は経済活動を再開するとか各国が表明しており、白石町の木材市場でも通常通りの取り引きが再開されることでしょう。現況の状態では2020年度の木材収益は赤字となりますが、2021年以降の取り引きが安定すれば再び黒字に転換することは可能です。白石町の木材市場で取り扱っている木材は、阿蘇山地・日向山脈といった九州南部の標高1,500mの山々で伐採されたスギ・ヒノキの2品種です。この地域で産出されるものは肥沃な土壌と温暖な気候が影響して、幹が太くて耐久性に長けた木材となっているのが特徴。そのために住宅用建材としての価値が高くて、スギに至っては1kgあたり約130円という全国相場の1.5倍の金額で取り引きされています。シンガポールでは木造住宅の需要が高くなっていて、今後も白石町の木材市場を支える大口取引国となるでしょう。2020年以降の白石町の木材市場の動向は、海外輸出が中心となるので世界情勢によっては再び取り引きが停滞する可能性もあります。そのため安定した市場を維持するには、国内需要にも応じる取り引き先を開拓することも考慮するのが望ましい市場です。

 

 
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