佐賀県有田町における木材市場の現況(令和2年 2020)

有田町は佐賀県西部に位置する西浦郡の町で、全国的に有田焼の産地として有名です。良質の陶芸の材料となる土が取れる反面、木材に関しては生産が芳しく行われているわけではなく、また人口も年々減少傾向にあることから木材の需要は減少しているのが実態です。そのため、1部の住宅の営繕や様々な施設の需要を除いてはあまり木材の需要はそれほど多くはなく、その現況も決して芳しいものではありません。
佐賀県全体としては木材の生産地が様々なところにあるため、その生産量は日本の中でも非常に大きな割合を占めています。そのため有田町でも様々な用途に県内産の木材を使おうとする試みは数多く行われており、民芸品の生産や有田焼の化粧箱の生産などは県内産のものを使用する傾向が強くなっています。しかし全体的な消費量はそれほど多くはないため、県内全体における木材市場の状況に対しての貢献度は決して大きなものではないのが実態です。
有田町は陶芸のほか農業も比較的盛んであり、有田鶏と言われる地鶏や、牛肉などが有名です。その他米の生産なども行っており農作物の豊かな地域としても知られています。非常にのどかな農村地帯であり、近年では高齢化率も高いのは特徴であるため、田舎ならではの穏やかな環境が1つの魅力となっているのが特徴です。
有田町の木材市場の現況は従来からそれほど大きな木材を消費する地域ではないため、他の地域に比べると決して芳しいものではありません。しかしその目的が有田焼の化粧箱や、その他の民芸品であるために非常に品質を重視する傾向があり、良質の木材のみを指定して消費する傾向が強くなっています。そのため消費量に比べて取引額が比較的大きいのが特徴であり、主に県内産の桐や杉などを使用することが多いのが特徴です。有田町の中にはこれらのものを加工する職人が多く存在しており、その巧みな技術で非常に格調高いものを手作りで作っている店が注目のポイントとなっているのです。