佐賀県みやき町における木材市場の現況(令和2年 2020)

佐賀県みやき町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

みやき町は佐賀県の東部、佐賀市の東側約20キロに位置し、北部と南部で福岡県に接した地域で、北部が山地となっていますが筑紫平野の一角をなすことから米の生産が盛んに行われています。スポーツ施設や名所、観光スポットが豊富で、多くの特産品を持つ自然豊かな町です。佐賀県自体の人口に対する森林の比率が日本一高いことから、林業を職業とする比率も高く、その出荷量も生産品の中で大きな比率を占めています。もともとは木材の大きな出荷量を誇っていましたが、木材市場の現況は価格の低迷から芳しく無く、国内への出荷量も年々伸びなくなっています。住宅の建築や建造物の材料として木材が使われてきましたが、他の用途に添加することで需要を伸ばすことが、県をあげての課題でもあります。工芸品の材料でも利用もされていますが、近県である宮崎県でも木材を利用した特産品を製作、販売していることから佐賀県ならではの特長を活かすことが模索されています。これまでとは違った利用方法として住宅のインテリアや特徴的な部分に使用することで価値を高めたり、質の良さや木目の美しさから高く評価されている海外での需要が伸びることで、安定した生産量を維持することができるようになってきています。ただ木材を出荷するだけではなく、その産業の発展、林業の整備を通して地球環境悪化の防止という社会的要請にこたえることも今後の課題です。更には林業が衰退しないように後進の育成や担い手づくりも重要で、行政を中心に街のシンボルとして後世まで引き継いでいくことも考える必要があります。木材価格の低迷から高い利益を得ることは期待できませんが、需要の増加から安定した生産量が期待でき、更に品質を高めることで様々な用途への応用がこれからの状況を改善していくでしょう。産業として発展させる以外にも、この豊かな資源をどう残し、どう活かすかが今後の町の発展を左右する重要事項でもあります。

 

 
トップへ戻る