佐賀県基山町における木材市場の現況(令和2年 2020)

佐賀県基山町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

肥前山脈の麓に町が広がる佐賀県基山町には、県内で4か所しかない木材市場のうちの1つがあります。ここでは佐賀県南西部一帯で取り引きされている木材が集められて、さらに国内・国外へと運ばれます。2020年4月現在の基山町の木材市場の現況は前年と比べて12%増しの約76万トンの取り引きがなされており、林野庁による各自治体の木材市場調査が開始された中でもっとも高い数値となっているほどです。これは2018年から基山町の木材市場が海外貿易も開始したことが起因しているといえるでしょう。基山町では長らく国内需要に対しての供給しかなされておらず、2017年までは年間平均取り引き高は約20万トンしかありませんでした。全国的に見ても低い数値だった市場ですが、2015年に環境省による山林保全運動が緩和されたことを受けて、佐賀県内の年間木材総量が500万トンになりました。これを受けて各市場も年間取り引き総量を引き上げる動きが強まり、基山町木材市場に至っては海外輸出をスタートさせるきっかけとなったわけです。これにより2018年度は60万トンもの木材を取り扱い、町の財政収入も大きく伸ばしていきました。主な取引国は中国・シンガポール・マレーシアのアジア諸国ですが、2021年度からはフランスとイタリアとの取り引きも正式に決まっており、更なる取り引き高のアップに期待が持てる市場です。基山町の木材市場で取り扱っている木材はクリ・マツ・スギの3品種で、全て住宅用建材に使用されているのが特徴です。各木材ともに1kgあたり約70円で全国平均価格よりも安いですが、これは主に間伐材となっているものを取り扱っているからです。2020年以降の基山町の木材市場の動向は、海外取り引きが今後も増えることで大きく成長する市場だと見受けられます。2018年から取り引き収益も黒字をマークしていますが、さらに大きな収益を上げていくことでしょう。

 

 
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