佐賀県鹿島市における木材市場の現況(令和2年 2020)

佐賀県鹿島市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

佐賀県鹿島市の2020年上半期の木材市場の現況は、約46万トンとなっています。2019年度の同時期が約57万トンだったのでマイナス数値となっていますが、これは2020年2月下旬から世界各国でまん延している新型コロナウイルスによる影響を受けているからです。鹿島市の木材市場は1997年に設立されましたが、設立当初から海外貿易に主軸をいており年間総量のうち約70%がマレーシア・シンガポール・タイ・カンボジアなど東南アジア諸国に輸出されているほどです。これらの国々では、新型コロナウイルスの流行と共に人と物の移動を制限しました。木材市場も例外ではなく、貿易港を封鎖されているので鹿島市の木材市場では各国に送られるはずの木材が停滞していて取り引きがストップしたままです。しかし、7月以降が各国ともに経済活動や人と物の移動も再開なされる見通しで、下半期には鹿島市木材市場の取り引き高も回復すると予測できます。鹿島市の木材市場で取り扱っている木材はカシ・ヒノキ・スギで、肥後山地で産出されたものです。肥後山地は標高1,500m級の山々から形成されており、年間を通して温暖な気候と十分な日光を浴びて育っているので高品質な木材ばかりです。このため木材市場ではヒノキ1kgあたり約160円、カシ・スギは110円と全国の取り引き相場よりも10%ほど高いのが特徴です。さらに市場センター内には加工場もあるので丸太や角材・集成材へと加工された形で輸出されており、これによって税関チェックをパスでいるのも貿易に特化した市場ゆえです。2020年以降の鹿島市木材市場の動向は、現況のマイナス取り引きを回復できるだけの取り引きがなされる見通しです。シンガポールでは木造住宅の需要は急激に高まっているので、建材としての使用率が高くなります。これにより、2021年以降は現況の年間69万トンの輸入から100万トンオーバーの輸入取り引きを鹿島市では期待できます。

 

 
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