佐賀県佐賀市における木材市場の現況(令和2年 2020)

佐賀県佐賀市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

肥前山脈を背後に構える佐賀市では、江戸時代より林業が盛んな地域です。市内には計12の製材所はがあり、現在も市の地場産業となっているほどです。2020年上半期の佐賀市の木材市場の現況は、前年よりも約14%のマイナスとなる29万トンの取り引き高となっています。これは新型コロナウイルスによる海外輸出が2月以降停止しているための影響であり、2020年の総取り引き高は約60万トンになる見通しです。前年は120万トンもの輸出をなされてましたが、主な取引国がフランス・アメリカ・ドイツでこれらは2020年5月現在も貿易港を封鎖しており、木材取り引きも停止したままです。なお、7月以降は貿易取り引きも正常化する三通りなので取り引き高も回復していくことでしょう。佐賀市の木材市場で取り扱われている材木はスギ・ヒノキ・マツの3種類で、水はけの良い肥前山脈で産出されるこれらの木材は耐久性に優れているのが特徴です。そのため住宅用建材としての需要が高く、アメリカに至っては2000年〜2010年の10年間で約2,100万トンもの輸入をなされたほどです。国内需要が年間27万トン前後しかありませんが、京阪神・中部地方向けにこちらも住宅建材に使用されています。木材市場の取り引きではスギ1kgあたり約78円・ヒノキが120円と全国相場よりも取り引き額が安くなっていますが、産出場所から木材市場までの輸送コストが掛からず製材所も数多くあるので価格を低く設定しています。2020年以降の佐賀市の木材市場の動向は、海外輸出の早期再開と新たな取引先の開拓が鍵となる市場です。現況では海外市場が佐賀市の木材市場の主軸となっているので、世界情勢に左右されやすく安定している市場とはいえません。そのため、国内需要に目を向ける必要もあり住宅建材だけでなく調度品等の加工材の取り引きを始めることで木材市場を取引率や取り引き高を維持できることでしょう。

 

 
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