富田林市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

富田林市は、大阪府の南河内に位置する市で戦国末期から寺院を中心に発展した町で高野山への入り口でも知られています。全国の都道府県の中で最も森林面積が少ないのが大阪府です。そんな大阪府にも豊かな森林に恵まれたとてもよい森林山地があり、古くから「河内林業地」で知られています。大阪最高峰の金剛山から大和葛城山・岩湧山につらなった一帯で、300年の昔からスギやヒノキの人工林が脈々と伝承されてきているのです。隣接する富田林市は、これらの資材を活用した歴史的建造物があることでも知られており、木材市場の現況も大阪河内材を使おうという気概があり努力をしています。

 

大消費地である関西圏の一角にあり、河内材を生産して家づくりに多くの資材を提供してきた背景があります。スギ・ヒノキ材は、木目がまっすぐで切り口が真円に近く、年輪の幅も緻密で均一な所が特徴で良い資材だと評判です。色合いが薄紅色で美しく、粘りがあるため装飾にも使える内装にも適しているのが河内の木材になります。その良さをアピールして、河内名物の「だんじり」のように全国に知られるようにアピールすることが富田林市の使命となるのです。大阪の山を再生して地元材や自然素材を大切にしようという動きが、大消費地大阪に起こることが必要になります。富田林市の木材市況の現況は、こんな住宅需要に支えられて好調です。グローバルな市場の流れで住宅市場も使い勝手の良い外国資材が中心をなすようになってきています。大阪河内材や高野山を背景とした資材の流通への経路として富田林市は重要な役割を果たしているのです。郊外の美しい町並みを背景として住宅の需要も強く、これからも建設資材を消費する町としてだけでなく、優良な河内材を使っていくための拠点になることが期待されています。大阪の木材が使われることは山の再生につながり、富田林市を災害から守ることにもなるのです。創意工夫を凝らして良質な木材を使っていくことが重要になります。

 

 
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