河南町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

河南町の2020年上半期の木材市場の現況は、前年の同時期と比べると約20%減の95万トンの取り引き高となっています。これは全体の約60%を占める海外輸出取り引きが2020年2月から全面停止をしているためであり、林野庁が各自治体の木材市場調査を開始した1984年以降でもっとも低い数値となっています。河南町の木材市場では主にフランス、アメリカ・イギリス・スペインといった欧州地域へ木材を輸出されていますが、2020年2月下旬から世界規模で大流行している新型コロナウイルスの影響で各国ともにロックダウンと呼ばれる都市封鎖をおこないました。これによって経済機能が停止をしており、木材輸入も例外ではありません。河南町の木材市場では約70万トンの輸出向け木材が停滞したままとなっていて、新たな取り引きがおこなわれておらず収益も前年と比べて40%以下となっています。現況では国内需要向けの取り引きのみがなされていますが7月からは欧州各国で経済機能を緩和する動きあり、河南町の木材市場も2020年下半期以降は取り引き件数も例年通りに回復すると予測できます。この市場で取り扱っている木材は、奈良県吉野町一帯で伐採されているスギとヒノキ・カシです。吉野町は年間を通して温暖な気候と適度な降雨に恵まれた地域で、良質なスギが産出されています。ヒノキに至っては美しい木目を作り出しているため、衝立やテーブルといった調度品に加工されます。住宅用建材としての需要も高く、取り引き価格はスギ1kgあたり約80円・ヒノキとカシは約140円と全国平均相場よりも1.5倍ほど高くなっているのが特徴です。2020年以降の河南町の木材市場の動向は、海外輸出の正常化が取り引き高を左右するといえます。2020年度の収益はマイナスになりますが、主力取引国との取り引きが元通りに回復をすれば再び収益は黒字を記録して安定した木材市場を維持し続けられます。

 

 
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