泉南市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

泉南市は、大阪府の南西部の海に面する地域です。市内の海沿いの地域には国際空港があり、昔から漁業が盛んな地域だったため、大きな漁港があります。泉南市は森林が殆どないため、伐採などは行われてきませんでした。戦後復興期から昭和40年代の高度経済成長期に掛けて、木造一戸建て住宅の建設需要が増加して、周辺地域に木材のコンビナートがいくつもありました。そのため泉南市では、それらの木材の加工工場や運搬業者が急増しました。海外から安い輸入材が入って来て価格競争に負け、従事者の高齢化が進んで日本の林産業は衰退しました。だけど1990年代のバブル崩壊まで、木造一戸建ての建設需要が衰えなかったため、輸入木材の加工工場や運搬業の活況が続きました。その後バブル崩壊や様々な不況になり、近隣の新興国の価格競争に負けて衰退しました。潮目が変わったのは、2000年を過ぎた頃で石油価格が高騰して、木材チップを使ったバイオマス発電が世界中で行われるようになり需要が増加しました。それに加えて新興国では建設ラッシュが起きて木材が乱伐されて、各国で森林保護のため規制が掛かりました。それらによって需要と供給のバランスが崩れて、木材価格が高騰し始めました。その結果嘗て衰退した日本全国の林業も採算が取れるようになり、また林業衰退期に植林された木が順調に育った事などが重なって従事者が増加しました。関西周辺の伐採地も輸入用の木材が伐採量が増加して、泉南市の周辺にある木材コンビナートも連動して取扱量が増加し始めました。2000年代前半から輸出向けの木材の量が増加に伴い、泉南市の加工工場や運送業者も連動して受注が増加して活況をし始めました。2010年代後半になると住宅ローン現在などや、景気が以前より良くなった事で木造新築一戸建て住宅の需要が増加が続いてます。加工工場や運送業もその影響で好調になり、2020年の泉南市の木材市場の現況は暫く活況が期待できます。

 

 
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