熊取町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

熊取町は大阪府に位置する人口4万3000人の街で、大阪府内で最も人口の多い町として知られています。
地名の熊取は神功皇后が、羽白熊鷲を討ち取ったことに由来するという説もあるなど(諸説あります)、歴史的にも様々なエピソードが存在する地域です。
町内には大阪みどりの百選にも指定されている奥山雨山自然公園が存在することでも有名です。
公園は昭和初期に発生した松枯れの影響で一時打撃を受けましたが、その後は順調な回復を見せ園内の林の構成比は人口林が10に対して天然林は90と、国内でも有数の自然資源が保存された状態を保っています。
また絶滅危惧種に指定されているオオワシやフクロウが生息していることでも有名です。
熊取町では大阪府の基本方針に基づいた熊取町木材利用基本方針が策定されています。
基本方針の中では平成22年に制定された、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」による、公共団体における公共建築物等での木材利用促進の要請を受けて、町内の公共建築物等における木材の利用促進を定めています。
他法令等で制限のない場合を除き、町民が身近に接する公共建築物は木造建築とする、公共施設内の備品には積極的に木材を利用する、材木を積極的に活用するための情報提供や各自治体との連携を深める、使用する材木は可能な限り大阪府内で調達されたものを使用するなどが方針の具体例です。
こうした方針もあり熊取町における木材市場の現況は、全体として明るいものとなっています。
現在の日本は少子高齢化が進んでいることもあり、町規模の自治体では著しい人口の減少とそれに伴う木材需要の減少が深刻化している地域も少なくありませんが、熊取町は大阪府という日本有数の人口密集地域内に存在する町のため、一般的な日本の町と比較して人口の減少幅はとても小さく過疎化の波から逃れています。
そのため今後も木材需要は安定した水準を保つと考えてよいでしょう。

 

 
トップへ戻る