貝塚市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

貝塚市は大阪府の南西部である泉南地域に位置する市です。古代より櫛の生産が盛んであった地域で、ツゲ科の常緑低木ツゲを使ってこの地で作られる櫛は伝統工芸品ともなっています。また市の木はヒノキ科の小高木・カイヅカイブキです。古くから伝わる伝統工芸品であるツゲ櫛の製造販売をしている工房も市内にはあり、近年ではインターネットで製品を通信販売してもいます。
木材市場の現況ですが大阪湾に接している貝塚市は木材を扱う会社がいくつもあります。機械設備や木製品を扱っている会社では、自社で制作した木製の雑貨を手掛けていますが、その中にはエアコン用の壁埋込形の木製前面グリルや室外機カバーを制作している会社があります。竹垣やすだれなどの造園資材の販売や施工を行っている竹専門の会社もあり、建築会社や請負業の方が利用しているだけでなく一般の顧客からの注文も受け付けているのが特徴です。古くなった袖垣の取替えや修理をおこなうほか、竹垣やすだれなどに使用する材料となる竹の販売も行われています。
貝塚市の重要文化財には中町にある室町時代末期に建立された「願泉寺」がありますが、平成16年から平成23年にかけて木造の本堂の修理のために木材の取り換えがおこなわれています。本堂の桔木にはもともと長さ9メートルの松材が60本も使用されていますが、補強のためにヒノキ材を40本加える修理が行われました。
貝塚市では平成22年に公共の建築物などにおける木材の利用促進に関する法律が施行されたことを受けて、市が整備する公共建築物などに木材を利用することを推進しています。低層の公共建築物の木造化をつとめたり、その他の公共建築物でも木質化を推進する方針を定められました。市の公共建築物で使われる備品や消耗品もできるだけ木材を使用した製品を導入することになっています。さらに民間事業所でも公共の建築物などに準ずる施設を作る場合には、木材利用をするよう要請することもおこなっているのだそうです。

 

 
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