忠岡町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪府南部に位置する忠岡町は、府内最大規模の貿易港を有する町です。港内に府立木材市場南部センターも設けられており、主に海外輸出向けの木材を取り扱っています。忠岡町の2020年度の木材市場の現況は、約520万トンであるとセンターの定例報告書から読み解くことができます。この数値は林野庁による各自治体の木材市場調査が開始された1984年以降でもっとも高い数値となっており、収益に換算すると約35億円にのぼります。この取り引き高のうち、約75%ga
海外輸出数となるので、忠岡町の木材市場の主軸は設立された1978年当時と同じく現在も海外輸出がメインと言えるでしょう。取り扱っている木材は紀伊半島南部の紀伊山地と鈴鹿山脈一帯で伐採されたヒノキ・スギとなっており、木材市場に併設されている加工場で丸太や角材・集成材に加工をされた形で輸出されるのが特徴です。この加工を施されると税関によるチェックが省けることから、通常の輸出よりも短期間でコンテナ船に積み込んで輸出することができます。なお、加工費用が取引価格に上乗せされるため、スギであれば1kgあたり約120円と全国平均相場の80円よりも割り増し価格になっています。年間約70万トンの国内需要は主に京阪神・中部地方向けに取り引きがなされており、住宅用建材として利用されていて、耐久性に優れているヒノキの取り引きが多いのが特徴です。特に鈴鹿山脈のヒノキは幹が太くて美しい木目を有しているので、大黒柱や梁に使用されています。2020年以降の忠岡町の木材市場の動向は、今後も海外輸出に重きをおくことで安定した取り引き高を維持し続けていくと予測できます。現在は欧州地域を主力取引国とされていますが、アジアや南米地方も取り引き国に選定すればさらなる増収を見込めることでしょう。2025年までは現況を維持していくと木材市場センターの報告書で明言されていますが、新たな販路の開拓も視野に入れられている市場です。

 

 
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