柏原市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪府の中河内地域にある柏原市は、古墳や遺跡が多い地域で産業としてはぶどう栽培が盛んに行われています。総人口は約68000人で、八尾市や藤井寺市に隣接している地域です。それではこの柏原市の木材市場の現況と、林業に関する特徴などを考察していきたいと思います。
柏原市と林業にとって欠かす事のできないのが、高尾山創造の森でしょう。面積が26.7ヘクタールのこの森は、地元の60人の土地所有者と大阪府、柏原市が共同で整備して管理しています。この高尾山創造の森は古墳なども多く残されており、古くから地元の人々と関わりがあった事が見受けられます。
そしてこの森では市内の小学生らに、森林の成り立ちや林業体験などが学べる森林体験教室を実施している事が特徴です。季節によって変化する森林や土壌の観察、間伐などを通じて林業を体験し、楽しみながら学習する事ができるのです。つまり柏原市の小学生たちは林業の体験を得ている者が多数存在しており、子供の頃から木材市場と関わりが期待できると言っても過言ではないでしょう。
近年の木材市場において問題視されている現況が、木材市場に携わる後継者不足といった課題です。市内にも小さな材木店はいくつか存在していますが、さらなる成長を実現するには将来の子供たちの力が必要となるでしょう。体験を通じて木材市場に興味を持って、将来林業を志す者が登場する基盤が整っている地域とも言えるのです。
2020年の段階での柏原市の木材市場は横ばいの傾向ともされていますので、子供たちが林業市場を目指す事によって大きな成長にも繋がるかも知れません。また市の3分の2は山間部といった特徴もありますので、海岸部や平地部の地域と比較しても林業との関わりにおけるその差は歴然ではないでしょうか。将来的に林業に携わる子供たちのため、柏原市の木材市場の発展のためにも貴重な資源である高尾山を大切に守っていかなければなりません。

 

 
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