四條畷市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

四條畷市は奈良県との県境に位置し、市域に生駒山系を有することから江戸時代後半から林業が盛んな市です。市内には計39件の製材所があり、ここで生駒山系で伐採された木材を丸太・角材・集成材に加工をして木材市場で取り引きがなされています。2020年の四條畷市木材市場の現況は、上半期で約210万トンとなっていることが木材市場センターの報告書かた読み解くことができます。なお2019年の同時期と比較すると15%のマイナス数字となっており、海外輸出が低迷していることが取り引き減につながっていると言えるでしょう。四條畷市の木材市場は約70%が海外輸出向け木材で、主にドイツ・フランス・イギリスの3か国が取り引き国です。特にドイツとの取り引きは1992年からなされており、年間60万トンにものぼっていたほどです。ところが2020年3月から欧州地域を始め世界各国で新型コロナウイルスが蔓延するパンデミックとなり、ドイツも空港だけでなく貿易港も全面封鎖をして人と物を移動を制限する処置を取りました。これにより木材輸入も停止して、四條畷市の木材市場では輸出向け木材が停滞する事態となっています。2020年5月時点でおこなわれているのは国内需要向けの取り引きのみで、例年の取り引き率の約20%にしか満たない数値です。7月にはドイツでも貿易制限が解除される見通しがあり、その他の欧州地域でも貿易取り引きが正常化されて四條畷市の木材市場も再び活気を取り戻すことでしょう。この市場で現在取り扱われているのはスギ・カシ・ケヤキの3品種で、ケヤキに至っては建材として非常に需要がある木材です。1kgあたり約80円となっていて全国の平均相場よりも10%ほど割安なのが特徴です。これは、市内の生駒山系で伐採されているためで輸送コストが掛からないことが価格にも反映されています。2020年以降の四條畷市の木材市場の動向は、下半期になると例年通りの取り引き高に回復すると予測できます。

 

 
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