寝屋川市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪府の北東部、北河内地域の中心部に位置する「寝屋川市」は、大阪中心部までは電車で20分、大阪国際空港まで60分という都市部へのアクセスが便利な街です。大阪都市部のベッドタウンとしての重要な役割を担っており、初本町公園や打上川治水緑地、寝屋川せせらぎ公園などの公園が多く、都市部に近い好立地でありながら緑が豊かにあることが特徴です。寝屋川市の総面積は約25キロ平方メートルで、市の東部は生駒山系の丘陵地帯、西部は主に沖積層からなる平坦部となっており広く淀川と接しています。この生駒山系は大阪から20キロ圏内に位置しており、古くは奈良時代より生駒越えの街道が発達するなど交通の要衝地として栄えた歴史があり、社寺や古墳などの歴史資源と一体となった緑は森林レクリエーションの場として市民や府民の憩いの場となっています。しかしながら、市の総面積における森林面積の割合はわずか約3パーセントの0.8平方キロメートルしかなく、その全てが民有林で国有林はありません。そのため、樹種別に見るとアカマツ・クヌギ・コナラなどが多いものの寝屋川市における木材の生産量はほとんどなく、流通している木材はほぼ全てが府内を含めた他地域で生産されたものや、輸入木材に頼っているのが現状となっています。そのため寝屋川市の木材市場では全国の林業関係者との強いパイプがあり、全国から必要な木材を発注することができます。こだわりの地域材や銘木などの入手が難しい木材でも、全国の森林組合や製材所・プレカット工場などから直接仕入れが可能であることや、希望する木材を希望の価格で探すことも可能で、全国の工務店や建築会社との直接取引などもあるため、大変活発であることが寝屋川市の木材市場の現況となっています。今後は、放置森林対策のひとつとして行政と協働した間伐材の搬出による木材需要の拡大や、市民参加による植樹などの森林育成への取り組みなどが急務となっています。

 

 
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