交野市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

交野市は大阪府の北東部に位置する市で、その半分が山林であるため林業が盛んな地域として知られてきました。そのため古くから木材市場は生産面で非常に活発な動きを見せていましたが、近年では林業家の高齢化によりその生産力が低下していることや、国内の木材の需要の減少により生産面での取引量が減少しているのが実態です。その反面鉄道面や道路交通網の発達により交通利便性が高まったことから、自然の豊かな環境で生活をしたいと言う住民の移住が増え、住宅を持つことによる木材の需要が増えていることが特徴となっており、その結果生産が中心の市場から需要が中心の市場へと変化してきたのがその特徴となっています。
交野市は枚方市や寝屋川市、及び奈良県生駒市等と隣接していることから、これらの地域のベッドタウンとなっている面もあります。これも人口増加に拍車をかける要因となっており、1970年頃から急激に増加している傾向が見られます。1971年に市政が施行されているため合併による人口増加とみられる面もありますが、市政が施行されたのは制度変更によるものでこの時に一切の合併等は行われていないため、ベッドタウン化による要因が大きいとみられているのが特徴です。
交野市の木材生産は現在でも行われていますが、その生産量は決して芳しくはありません。しかし近年では自然保護や効果的な利用を行うために外部から若い職人を招き入れるなど様々な施策を市としても行っており、加えて近年の田舎暮らしブームも相まって移住者も増えている実情があります。そのため少しずつではありますが木材の生産も徐々に増加をしており、従来の杉や檜だけではなく内装材として利用される様々な木材を生産する傾向が強くなっています。
交野市は大手ゼネコンである野村工務店が本社を置く地域でもあるため、効果的な木材の利用とその活性化に非常に力を入れている地域でもあります。そのため今後は全国の木材の需要に合わせた効果的な生産が見込まれ、その現況は徐々に好転すると考えられているのもポイントです。

 

 
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