枚方市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

枚方市における木材市場の現況を見ていきます。枚方市は大阪府の北東にある街です。大阪府は人工林の利用をむかえており、森林資源の保全には熱心ですが、枚方市も2018年の8月から森林スペシャリスト育成講座を開講しました。枚方市は森林建築技師を講師に招いて里山の保全活動などを行っています。枚方市の里山の保全活動の背景には引き継ぎ手の不足が挙げられます。枚方市には津田・穂谷地域を中心に豊かな自然の残る里山があります。特に穂谷地域は「にほんのさと100選」に選ばれました。しかし、引き継ぎ手の不足や高齢化により里山の行方が心配されています。現在の津田・穂谷地域はNPO団体が中心となって、ボランティアなどの運営で自然が守られています。

 

枚方市の伝統のお祭りである五六市は、市と林業の存在を身近に感じられるイベントです。枚方はかつて日本の中心地だった京都から3つ目の宿場町だったため大きく発展しました。京都は東海道五十三次の終点であり、枚方はその3番目の宿場町であることから、56番目の宿場町と言われ、それが五六市の名前の由来となりました。通りには木材加工の製品が並び、ここが江戸時代から賑わっていたことを示しています。

 

ちなみに、現在の大阪府のなかで林業が盛んなのは「木材コンビナート」と呼ばれる大阪南部です。岸和田市と忠岡町にまたがってコンビナートは広がっており、最盛期には貯木場に南洋材が多く積まれていたことを見られたようです。現在も東洋一の木材工業集積地を目指して開発が進められています。大阪府のなかで木材関連企業が多いのは港町が中心です。やはり港があると木材の輸出入に便利なことから、企業は集まるようです。枚方市は北東部に位置しており海との接点はありませんが、木材関連企業も見つかります。府内第5位の人口40万人を抱えており、自然の豊かな奈良県にも接していることから木材市場にとっても見逃せないエリアです。

 

 
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