島本町における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪府の北東部に位置する「島本町」は、北西部を中心に町の大部分が山岳・丘陵地で、南東部には木津川・宇治川・桂川が淀川に流れ込む合流地点があるなど、山と川に囲まれた自然が豊かな町です。京都盆地から大阪平野に抜ける交通の要衝地として古くから栄えており、現在では大阪市や京都市のベッドタウンの役割も果たしています。島本町の総面積およそ17平方キロメートルのうち森林面積は10平方キロメートルとなっており、その全てが民有林で国有林はありません。樹種別に見るとスギ・ヒノキ・マツがそのほとんどを占めており、スギは一般建築材や造作材、ヒノキは造作材、マツは一般材として流通しています。木材市場における価格はスギは全国平均を下回る1平方メートル当たり10500円で、近年では最も高価格であった平成9年と比較すると40パーセント低下しており、ヒノキも1平方メートル当たり22000円と平成9年より30パーセント低下しているなど、現状としては右肩下がりの傾向にあります。素材の需要量も全国的な推移と同様に島本町も低調ですが、ここ10年ほどは少ないながらも年間20000立方メートル前後と安定して需要が続いています。用途別素材は全体の半数近くが一般製材用で、次いで合板用、パルプ用と続き、内訳は外国産材がおよそ7割を占め、主な取引先は大阪府内や近隣の京都府や岡山県などの木材加工会社や住宅用建材会社となっているのが島本町における木材市場の現況です。今後の展開としては、島本町の森林は育成途上のものが大半を占めているため、育林作業のほか「観光林業」への新たな取り組みや、森林資源のリサイクルに木質ペレットを生産する「環境林業」への取り組みを開始しました。また、島本町と京都府大山崎町にまたがる天王山周辺森林では、平成17年3月に設立された「天王山周辺森林整備推進協議会」で定めた整備構想に基づき、およそ250ヘクタールの森林整備を開始するなど、町と市場が連携して森林の活用と育成に努めています。

 

 
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