茨木市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

茨木市の2020年の木材市場の現況は、上半期で約180万トンとなっています。この数字は前年同時期の約40%となっており、世界情勢が大きく影響していることが伺えます。茨木市の木材市場は全体の半数を海外輸出向けの材木が占めていますが、2020年2月から世界各地で新型コロナウイルスが流行したことで各国で、人と物の移動を大幅に制限されています。これは木材市場にも多大な影響を与えており、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツの貿易港ではすべてのコンテナ船の入港を禁止する事態となっています。茨木市の木材市場の主な取引国がこれら欧州・欧米の先進7か国であるため、2020年5月時点で木材の輸出がなされておらず新たな取り引きがおこなえていません。現況では国内向けの約100万トンのみとなっており、ヒノキ・スギといった住宅用建材向けの木材取り引きのみに絞られています。しかし、7月以降は新型コロナウイルスが各地で収束していく見通しとなっており、2020年下半期は例年通り輸出向け取り引きが再開されると茨木市山林資源課の定例報告書で言及されています。林野庁が各自治体の木材市場調査を開始した1986年当時は、茨木市の木材市場は国内向けの取り引きのみしかおこなっていませんでした。この当時で年間60万トンの取り引き高しかなく、取り扱っていた木材もスギのみと限定されていましたが、1990年に全市場で木材自由貿易が承認されたことで茨木市でも木材市場に輸出取り引き機能を持たせることとなります。1993年には取り扱い総量が200万トンを上回り、木材収益は約15億円を記録して市の財政を大きく潤す産業になりました。2020年以降の茨木市木材市場の動向は、上半期の収益減が影響して前年の約60%前後となると予測されます。しかし、2021年度からは再び取り引きは安定した水準をキープしていくと見受けられるので、収益減は一時的なものといえるでしょう。

 

 
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