豊中市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

豊中市は大阪府北部の北摂豊能エリアに位置する市で、豊中台地といわれるゆるい傾斜がある新期洪積層段丘に市街地の中心部があります。この町は1950年代後頃は農地と山林が7割くらいでしたが、その後の千里ニュータウン開発によって山林がなくなり、現在では農地や山林は全体のエリアの0.5割を下回るくらいになっており、林業はこの街では発展していません。この街の主な産業は商業やサービス業で、材木などの生産を中心とした木材市場は豊中市には見られないという現況です。
しかし、千里ニュータウン開発以降の急激な人口増加により、住宅が数多く建てられており、人口は大阪府で第4番目を誇る規模となっています。住宅を建てるときの建築用木材などのニーズはこの街では依然高くあり、消費を中心とする木材市場は現在でも活況という状況といえるのが豊中市です。また、建築用木材のニーズだけでなく、家財道具などに用いられる家具用品としての木材ニーズも高いといった特徴があります。豊中市は40万といわれる人口規模でも大阪府でも大きな町の一つですが、そうした人々に生活用品などを提供するスーパーやホームセンターなどもこの街には多くあり、店舗やマンション建築などで必要となる木材に対するニーズも高いです。加えて、多くある店舗では家具や屋内備品など、木材を用いて作成された家具用品などが多数取り扱われており、流通といった点からの木材ニーズも多くあります。
したがって、豊中市は木材生産という点では発展的な市場形成は見られないといえますが、消費・流通といった視点からの木材市場は発展しており、人口規模に応じて人々の住居や店舗などでの木材ニーズは依然高いという現況になっているといえます。人々が生活する上で木材を用いた戸建て住宅やマンション、内装用木材や生活家具などは不可欠なものといえますので、豊中市の木材市場は今後も消費という点からの発展が考えられます。

 

 
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