箕面市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

箕面市は大阪のなかで森林が多い地域として有名です。国有林を保有しており、都市郊外で教育や保健文化の場として広く活用されています。その面積は567haであり、そのうち人との共生林は565haにも及ぶのです。これは府内の他の国有林と比べて圧倒的な広さです。資源を循環させる目的の林が2haも存在するなど、他では見られない多くの特徴があります。
また、人工林が多いのは箕面市も含めた大阪の森林に共通する特徴です。そこでは、スギやヒノキをはじめとして多様な種類の木々が育てられています。広葉樹も手掛けていますし、アカマツなどもわずか数%の割合ですが見受けられます。このように大々的ではありませんが林業も行われており、そのなかでも特に保全活動などに注力されているのが箕面市というわけです。森林法に沿って出された笙面市林業指針は、森林を整備する計画として打ち出されたものです。大阪の計画を基盤としており、林業における多くの基準を網羅的に示しています。市民の関心を高めるために、これまでクラフト制作などの課外活動も積極的に実施してきました。
2020年もその姿勢は一貫しており、木材の供給においてもさまざまな工夫を行っています。たとえばコストを抑えるために、路網整備を実施していることもその一つです。高性能の林業用の機材を導入し、列状間伐も取り入れています。もちろん小径木も対象としており、未利用ものはバイオマスの拡大に利用する動きもあります。低コストによる再造林も視野に入れ、伐採のみならず苗木の育成にも同時に進めていく作業フローもあるなど、多方面で大いに期待されている状態です。コロナウイルスの影響により現況は厳しいですが、上記のような取り組みによる木材市場の復興が望まれています。木材の需要が下がっており、それに合わせ起こる値崩れも懸念の材料です。そのため、林業重視者に対するセーフティネットを設ける必要性が議論されています。

 

 
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