池田市における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

池田市は大阪府の北部に位置しており、大阪の中心地である梅田から電車で約20分という近距離でありながら、「大阪みどりの百選」にも選ばれているなど自然が豊富な市です。市の中央部にある五月山は北摂山系の山地と平地の境界部にある山で、ニホンザルやニホンジカなどが棲息する里山として貴重な存在で市民の憩いの場となっています。市の総面積はおよそ22平方キロメートルで、そのうち森林面積がおよそ55平方キロメートルと総面積の4分の1を占めており、その全てが民有林で国有林はありません。樹種はヒノキが45パーセント、スギが36パーセントと全体の8割を占め、残りはマツ類や広葉樹林となっています。木材需給量は昭和48年のピークを境に二度にわたるオイルショックなどの影響で総体的に減少傾向となっており、供給面では港湾を中心に配した加工流通体制が構築されているものの、原木の取扱量の減少により需要の半数以上が外国産材に依存している状態です。しかしながら、かつて猪名川上流の里山では伝統的な炭窯で「菊炭」が生産されていたこともあり、高級品の「池田炭」として流通していました。社会情勢の変化で当時と比較して需要は減ってはいるものの、平成16年には「池田炭づくり支援協議会」を設立するなど池田炭づくりを再興することによる造成林拡大を目指した活動に期待が寄せられています。池田市の木材市場における現況としてはスギとヒノキを中心に取り扱っており、外国産材に押されながらも安定した推移が見られます。大阪府全体を始めとして、近隣の京都府や岡山県の木材加工会社や住宅用建材会社などを中心に活発な取引が行われており、高さ12センチ幅18センチ長さ1800センチの杉平材はおよそ2000円前後、高さ3センチ幅15センチ長さ1800センチのヒノキ加工材は1000円前後が相場となっています。今後の木材市場においては、森林整備加速化・林業再生事業などの新たな取り組みによる、更なる活性化が期待されています。

 

 
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