大阪市平野区における木材市場の現況(令和2年 2020)

大阪市平野区における木材市場の現況(令和2年 2020)

 

大阪市平野区の2020年の木材市場の現況は、上半期で約160万トンとなっています。前年と比較すると約50万トンのマイナス数値となっていますが、これは海外輸出に主軸を置いているための影響が要因となっているからです。大阪市平野区では主にイタリア・アメリカ・フランスといった先進5か国向けの木材輸出が盛んなところです。しかし、2020年2月下旬から世界各地で新型コロナウイルスによるパンデミックが巻き起こり、各地で人と物の移動が制限される事態となりました。貿易も例外ではなく、木材貿易の拠点である湾岸港も封鎖されています。これにより大阪市平野区の木材市場では輸出されるはずの木材が停滞しており、新たな取り引きがおこなわれていないので取り引き高が伸び悩んでいます。2020年4月現在でおこなわれている取り引きは国内需要を対象にしたものだけですが、6月から各国で移動制限が解除されるため再び大阪市平野区の木材市場でも活発な取り引きがなされていく見通しです。この木材市場で取り扱われている木材は、滋賀県の比叡山系・岐阜県の飛騨山地で伐採されたスギ・ヒノキの2種類になっています。寒暖差の激しい山林で育っている木材で、幹が細くて木目がきめ細かいのが特徴です。国内では調度品に加工されるものとなりますが、海外では教会の内装の修繕やエクステリアに使用される建材として利用されます。取り引き価格はスギが1kgあたり約120円、ヒノキが約210円と全国平均価格よりも若干割高になっていますが、市場内で丸太や角材に加工された形での取り引きなので加工費用が加算されている結果です。2020年以降の大阪市平野区の木材市場の動向は、下半期には年間平均水準にまで取り引き高が回復兆しです。収益としては上半期分を差し引くと前年よりも約30%の減収になることがセンターの定例報告で算出されていますが、2021年には再び黒字に転換することでしょう。

 

 
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